2018年8月31日金曜日

【牧歌電子】『Märchen』全曲解説


先日、牧歌電子名義にて3rdアルバム『Märchen』を配信リリースしました。bandcamp、BOOTHで試聴および購入可能です。
Chiptune、ゲーム音楽好きにとってはすごく楽しい作品になっていると思います。原点回帰し、鍵盤ハーモニカやリコーダーなどをふんだんに使った作品となっています。
 
【bandcamp】
http://bokkadenci.bandcamp.com/album/m-rchen
【BOOTH】
https://bokkadenci.booth.pm/items/943460
今回、アルバムの全曲解説を敢行しました。万国博覧会のようなアルバム。ぜひご一読、一聴いただければ嬉しいです。
1.Ride On…
長居公園の片隅にある、さらに小さな公園の遊具をジャケットにする案は当初からあって、色々な角度から写真を撮った結果、この角度から見える景色が一番素敵だなと思い、今回のジャケに採用しました。
この曲は、偶然撮れた「パンダに乗ってさまざまな場所を巡る旅に出る」ようなショットに相応しく、これから始まるワクワクを感じさせるような序曲として作るに至りました。 ナノループパレード。
 
2.Märchen…
表題曲。四天王寺前夕陽ヶ丘の駅前を散策中この曲のメインフレーズが降りて来た時から、アルバムのコンセプトが何となく固まり制作を開始しました。ある種イタリア、スペイン周辺の情熱も垣間見える曲ですが、最終的にいい感じで牧歌電子らしいダンサブルでポップな曲になった気がします。
 
3.Dear Goblin…
一聴して変な曲が作りたくて作った曲。当初 XTC や They Might Be Giants みたいな着地を目指して作ってたんですが、作り終わるとたまの石川さんオマージュな雰囲気がだいぶ濃厚に出ちゃった。ヘンテコな迷路を抜けて王道展開、みたいな自分の好きなコード進行で固めてます。お気に入り曲。
 
4.Dica Samsara…
Soundcloudに過去にアップしたバージョンからメロディカを新録しています。中東系スケールでキャラバンな雰囲気。元々牧歌電子を始めたのは自己流 klezmer(ユダヤ民謡)などをチップチューンなどで表現したかったのも動機として強く、そういった意味でもアルバムには入れておきたかった大事な一曲です。
 
5.Fantasia…
個人的ヘッドライナー曲。この曲だけで良いから買って欲しい。作り始めた当初は一番扱いづらい曲だったのですが、アンサンブル組み立てメロディカを録音していくにつれ、このアルバムの中でどこに入れたら最高かをずっと考えるようになりました。今やりたい牧歌の帰結的ジャンルです。クラブで弾いて良いもんかが気になりますが、是非今後演っていきたい推し曲です。
 
6.Inner Child…
矩形波が奏でる土人のダンス。満ち溢れる生命への喜びなどを表した曲です。この曲もアルバム制作開始時早い段階で仕上がってました。自分はメロディカでセッションに乗っかる感じ。実際にライブでもあまり決まったフレーズは存在せず、思い思いに弾いてます。
 
7.Juicy Bonus…
このアルバムの中で実はいちばんメルヒェン感ある曲じゃないだろうか。万国博覧会のような音の旅を続け、閉園とともに出口に向かう侘しさや余韻を3和音に込めました。エンディング。
 
8.Danish…
ボーナストラック。元々昨年のスクエアサウンズ(チップチューンの祭典)で演奏する楽曲ストックだったものを再構築し、今アルバムへ収録しました。ソプラノリコーダーは昔『Spring』でも録音しましたが、メロディカをちゃんと絡めるのは初めて。アルバムとしても、夢から醒めて朝を迎える感覚で、並びとして綺麗だなと手前味噌ながら満足しています。
…以上、自分の思いのみを書き綴った解説となりますが、イメージに限定されず聴いてくれた方々の想像を大切に、そばに寄り添うアルバムとなれば嬉しいです。感想をいただけるとすごく励みになります。
どうぞよろしくお願いします。
Märchen / BOKKADENcI
(Sinkokyu Records) 2018/8/26 Release  US9$/ ¥1,000
 
【bandcamp】
【BOOTH】